ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険 運用自由化を申請

郵政民営化で発足した「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命保険」は、
リスクの分散や収益拡大に向けて、国債での運用に偏っている資金の運用手段を
自由に選べるよう金融庁などに認可を申請しました。

ゆうちょ銀行」は預金残高が約180兆円
かんぽ生命保険」は総資産が約110兆円

それぞれの業界で最大規模の金融機関ですが、
ゆうちょ銀行かんぽ生命保険どちらも資金の大半を国債で運用しています。

金利の変動に伴うリスクの分散や収益の拡大を図るには
資金運用の手段を多様化することが必要だとして、
金融庁と総務省に対して、運用手段を自由に選べるよう認可を申請しました。

具体的には、ほかの金融機関と組んで企業に融資するシンジケートローンや、
債券や株式への投資、それにデリバティブと呼ばれる高度な金融取引などを
認めるよう求めています。

金融庁と総務省では、有識者で作る「郵政民営化委員会」の判断を踏まえて、
新たな運用手段を順次、認可していくことにしています。

郵便貯金や簡易保険の巨額資金を民間に回して経済の活性化を目指すことは
郵政民営化のねらいの1つだけに、市場への影響を抑えつつ運用先を拡大できるかが、
ゆうちょ銀行かんぽ生命保険の経営だけでなく郵政民営化の成否を左右しそうです。